#6 あれから1年
引っ越しの話をしたり、恋人の話をしてから1年経っていた。
結果、私には人を愛せるほどのキャパがなかったし、一人が好きだった。
クォーターライフ・クライシスという言葉をご存じだろうか。
人生の4分の1が過ぎた20代後半から30代にかけて訪れる、人生について思い悩み、幸福感が低迷する時期のこと。
今思うと当時の私はクォーターライフ・クライシス真っ只中だった。
当時遠距離恋愛をしていた私は、同じ職場に5年勤めていた。
この先ずっとここでいいのかな、仕事を辞めて引っ越しして、同棲なるものをしてみたら人生が変わるかもしれない、そんなことを思い、なんとかして現状を変えたかった。
当時はこの言葉を知らなかったがとにかく何か大きな変化が欲しかった、悪い言い方をすれば恋人をダシに使った。
飛び込んでみて良い結果には納まらなかったけれど、この1年に価値があったと私は思う。
思っていたよりも悪いものではなかったが、決していいものではなかった。
もちろん相手に不足があったわけではない、私が人と生活するのに向いていなかったのだ。
それが分かっただけでも今後の人生の指南としては大きな意味があった。
グリニッジ大学のオリバー・ロビンソン氏によると、クォーターライフ・クライシスは、5つのフェーズに分けることができます。
・フェーズ1
仕事や人間関係において、自分がした選択により閉じ込められているように感じること
・フェーズ2
そのような状況を問題視し、ここから抜け出さなければという思いが募っていくこと
・フェーズ3
仕事を辞めたり、良くない人間関係を断ち切ったりして、不自由さの原因から離れること
・フェーズ4
ゆっくりと着実に、人生を再スタートする
・フェーズ5
自分が関心を持てることに対し、熱意を持って取り組むようになる
私は今フェーズ4。
あらゆるものとの決別を済ませたので、人生の再建を始める時間である。
来月か再来月、地元に帰ります。
幸い、私の帰りを喜んでくれる人が多数いるし、私も会いたい人がたくさんいる。
この1年の生活の話、会えなかった時間の話、未来の話、映画の話、推しの話、たくさん話したい事がある。
伴侶は生涯いないかもしれないけど、私を大切に思ってくれる人が片手じゃ数えられないくらいにはいる。
ロンリネスではなくソリチュード、それでいいと思います。